マンション売却のときに床の傷はどうするべきか

今まで住んできたマンションを売却しようと思ったときに、ふと床の傷に気づいてしまうことがあります。この傷を何とかしないと高く売れないのではないかと思う人も多いでしょう。床の傷を見つけてしまったときにはどんな対処をした方が良いのでしょうか。
具体的な方法ごとにどんなメリットとデメリットがあるのかを考えてみましょう。
特に何もせずに売却を試みる
床の傷に気づいてしまってどうしたら良いかと悩んだときに、最も単純な選択肢は特に何もしないで売る方法です。
傷の程度にもよりますが、よく見てみると傷がついているという程度で売れなくなることはあまりありません。大きめの傷が部屋の真ん中にあるという場合であっても、その部屋はカーペットを敷いてしまうから大丈夫と考える人もいれば、ラグなどを置いて気にならないようにしてしまう人もいます。
買い手も色々と工夫をしてより住みやすい住居にしようと考えてくれるので、よほどの傷でなければ売れなくなる原因にはならないのです。しかし、上を歩くと怪我をしてしまうような床の傷がたくさんあるという場合にはそのままでは売れないリスクが高いでしょう。
特に何もしないで販売してみるのは手間がかからないのがメリットです。
床の傷の分だけ安く売って買い手を探すこともできますが、特に気にかけない人がいることも想定して、その分の減額を考慮せずに販売することもできるでしょう。その傷について言及して交渉されたときに、相場に応じて減額するという方針にすれば決して安く買い叩かれてしまうことはありません。
ただし、傷があるのに気づくと、他にも傷や汚れなどがないかを気にされてしまう傾向があります。自分が気づいていなかった問題点を指摘されて減額せざるを得なくなるということもあり得るので注意しましょう。
DIYグッズで傷をできるだけ目立たなくする
床を傷つけてしまって気になるようになってしまうのはよくあることです。その傷を目立たなくするためのDIYグッズも販売されているので、傷を極力見えなくした後で売るという選択肢もあります。数百円で買えるグッズで傷がほとんどわからなくなることも多く、少し手間暇をかけて挑戦してみる価値はあるでしょう。
それによって買い手が傷を気にかけなければ交渉されることもなくなります。ただ、傷をそのままにしておいた場合と同様に、傷消しをした部分を見つけてしまうと他にもあるのではないかと勘ぐられてしまうことがよくあります。
できるだけ慎重に自分でも傷などを探して全てに対処しておくようにすることが重要です。
床を一部だけ張り替えてしまう
床の傷が目立っているのが問題なら張り替えてしまうのも良い方法です。最近ではマンションを売る前にリフォームをするケースも増えているので、リフォーム会社に依頼して張り替えてもらってしまいましょう。傷のある部分だけを張り替えてもらうのがコスト的には良い方法です。
範囲が狭ければ作業費も含めて一万円くらいでできることもあります。ただ、一部だけ張り替えると周りと全く同じ色合いではなくなってしまい、明らかにその部分だけ張り替えたことが買い手にもわかってしまうこともあります。
その理由を問われて傷があったと率直に答えることができれば良いでしょう。しかし、特に聞かれることもなく、ただ買い手が不審に思ってしまうと訳あり物件かと勘違いされてしまうこともあるので気をつけなければなりません。
施工技術が優れているリフォーム会社を厳選して見つけ出すことが必要になるのです。
床を全面的に張り替えてしまう
床を全面的に張り替えてしまうことで問題を解決することもできます。一部だけ張り替えるのと違って全面が変わってしまえば特におかしい点だと思われることはありません。また、マンションが古くて床が劣化していた場合には、減額対象となる点を克服できるという観点からもメリットがある方法です。
さらに付加価値をつけて高く売れるようにしたいと思ったら床暖房を設置してしまう、無垢のフローリングにするなどの色々な方策を考えることができるでしょう。ただ、全面張り替えとなるとかなりのコストがかかってしまうことは否めません。
その分だけ高く売れるという保証がないならあえてやらない方が無難です。
買い手に提案をしてみる

床の傷がどれだけ気にかかるかは買い手によって違います。あまりにも目立つ傷があるなら、販売の時点で床に傷があることを明記し、その部分への対処について交渉したいという形にする方法もあります。例えば、気にせずに買ってくれるなら一定の金額を販売価格から引いて対応すれば良いでしょう。
買うならリフォームして床を張り替えたものであって欲しいというのなら、どんなリフォームが良いかを選んでもらい、その費用を折半するという形で交渉することも可能です。買い手としても自分で選んだ形でリフォームできるというメリットがあるため、折半で応じてくれることもよくあります。
他にも、カーペットを提供する、部分張り替えの費用までは負担するといった形で提案し、より良いものを選んでもらうようにすると交渉もスムーズに進むでしょう。この方法はメリットが多いように見えますが、傷がある時点でもう申し込まないという人もいるので買い手が見つかりにくくなるというデメリットもあります。
買い手が見つかりやすいと想定されるマンションならやってみると良い方法です。
傷があるまま売るときに重要なこと
床の傷をそのままにして売るときや、DIYグッズで隠す程度で売るときには気をつけておきたいポイントがあります。販売をするときに傷について言及しない方が高く売れるのではないかと思うでしょう。内見に来てもらったときに気づかなかったらしめたものだと思うかもしれません。
しかし、明らかな問題点があるにもかかわらず、隠したまま売買契約をしてしまった場合にはトラブルが発生するリスクがあります。住み始めてから床の傷に気づき、なぜ予め情報を開示してくれなかったのかと言われてしまったら答えようがなくなるでしょう。
本当に誰もが気づかないような小さな傷なら自分は気づかなかったと言えるかもしれませんが、それでも責任を取れと言われてしまう可能性があるのです。基本的にはトラブルの原因になり得ることは全て情報として開示するのがマナーです。
最終的には我が身を守ることにつながるので、床の傷を隠してしまわないようにしましょう。